一戸建てで詰まったと呼ばれると、やはり油汚れでした。
ある日の午後、一本の電話が鳴りました。
「キッチンの水が流れにくくて……ちょっと見てもらえますか?」
すぐに現場へ向かうと、そこは築10年ほどの一戸建て。
出迎えてくれた奥さまに状況を伺うと、「シンクの水が流れなくなって困っています・・・」とのこと。
「なるほど、ちょっと見てみますね」と声をかけ、まずは水を流してみました。
たしかに流れは鈍く、数秒後にはゴボゴボと通常の水の流れより時間がかかる。
典型的な詰まりの初期症状です。
トラップを外すと…

次にキッチン下のトラップを外して中を覗くと…
案の定、内部にはギトギトの油汚れがびっしり!
長年の蓄積でしょう。
特に冬場など気温が低い時期は、油が固まりやすく、少しずつ排水管の内径を狭くしていきます。
とはいえ、この状態で中だけ掃除しても意味がありません。
原因はその先の排水管、さらに排水マスにまで及んでいる可能性があるからです。
排水マスからの高圧洗浄

そこで、屋外の排水マスを確認してみました。
案の定、キッチンからの排水がつながるマスの中も、油カスや汚れが溜まりまくっていました。
すぐに高圧洗浄機を用意し、排水管の中を根こそぎ洗浄。
ブシュウッという音とともに、茶色い汚れの水が流れ出していきます。
数十分後、水の流れはスムーズに回復。
「うわ〜、こんなに溜まってたんですね……」と、お客さまもびっくりされた様子。
油を流すのはNG?
最後に、詰まり予防のアドバイスも忘れずにお伝えしました。
「調理後のフライパンやお皿についた油は、なるべく拭き取ってから洗ってくださいね」
「定期的にお湯を流すだけでも、油の固着はある程度防げますよ」
「あとは給湯器の設定温度を60℃にして定期的に1分程流すのも効果ありますよ。
やけどには注意してくださいね。」
油は見えないうちに少しずつ配管内にこびりつき、数年後に突然の詰まりを引き起こします。
今回は早めに呼んでいただけたおかげで、大事に至らず済みました。
おわりに
キッチンの排水が詰まる原因で意外と多いのが、「蓄積された油汚れ」です。
普段の生活で気づかないうちに少しずつ溜まり、ある日突然流れなくなる…というのは珍しい話ではありません。
今回のようなケースでは、排水トラップの点検や高圧洗浄による対応で解決できますが、
「詰まったらどうしよう」と不安な方は、日頃から油はキッチンペーパーなどで拭き取ってから流す習慣を意識するのが大切です。
また、自分で対処しきれないと感じたら、無理をせず専門業者に相談するのが安心です。
詰まりの放置は大きなトラブルに繋がることもあるので、早め早めの対応をおすすめします!
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