「洗面台から変な臭いがする…」
「排水がゴボゴボと音を立てて流れる…」
それ、もしかしたら「排水トラップ」に原因があるかもしれません。
本記事では、水回りトラブルでよく登場する「排水トラップ」について、仕組みや種類、トラブルの原因、対処法までわかりやすく解説します。
排水トラップとは?
排水トラップとは、配管内の臭いや虫などが室内に侵入するのを防ぐために、水を溜めて封をする構造のことです。
この溜まった水を「封水(ふうすい)」と呼び、これが下水と室内を隔てるフタの役割を果たします。
主な排水トラップの種類
◆ Sトラップ(床排水)

床に向かって配管されているタイプで、曲線が“S字”に見えることからこの名がついています。
主に床排水のトイレや洗面台に使われます。
◆ Pトラップ(壁排水)
横方向に排水されるタイプで、壁排水の洗面台や手洗い器に使われることが多いです。
形状はPに近く、取り外しや点検がしやすいのが特徴。
◆ ボトルトラップ
一見すると瓶のような形で、小型の手洗い器などでよく使われます。
構造上、封水が浅く、蒸発しやすいため使わない期間があると臭いが上がりやすいのが注意点。
◆ ワントラップ


台所や洗濯機でよく使われるタイプで、深い椀型の受け皿のような構造に水を溜める仕組みです。
構造がシンプルで、食べカスや油汚れが溜まりやすく、詰まりやすい傾向があります。
◆ 逆ワントラップ(リボントラップ)
見た目はワントラップと似ていますが、封水部が逆になった構造です。
排水時の気圧変化に弱く、封水が破られやすいため、正しく施工されていないと臭い戻りの原因になります。
住宅では少ないですが、古い建物や特殊な用途で使われていることがあります。
トラップが原因で起こるトラブル
臭いが上がってくる
封水が破られる(乾く、吸い込まれる)ことで、下水の臭気がそのまま室内に流れてくる状態です。
とくにボトルトラップや逆ワントラップでは起こりやすく、換気扇とのバランスでも影響を受けることがあります。
排水が詰まる
髪の毛、油汚れ、食べカスなどが溜まりやすく、トラップ内で詰まりやすいです。
とくにSトラップやワントラップでは、曲がりが多いためゴミが引っかかりやすいです。
自分でできる対策とお手入れ方法

封水の蒸発防止
使っていない排水口(特に床排水)は定期的に水を流すことで封水切れを防げます。
詰まりの予防
- 髪の毛キャッチャーやネットを使う
- 油をそのまま流さない(冷やして捨てる)
- 月に1〜2回、排水口用クリーナーで清掃
トラップ掃除
- ワントラップは部品を分解して中を清掃可能。ゴムパッキンの劣化に注意。
- P・Sトラップは清掃口付きのものはドライバーで開けられる。ない場合は難易度高め。
それでも直らない場合は?
臭いや詰まりが改善しない場合は、トラップの破損・配管の傾斜不良・高圧洗浄が必要な詰まりなど、専門的な対応が必要なケースがあります。
このとき注意したいのが、「基本料金〇〇円〜」と書かれていても、現場で急に高額請求されるケース。
【相場感】としては、
- 詰まり除去:8,000円〜15,000円前後
- 高圧洗浄:15,000円〜30,000円前後
などが目安です。
急に数万円〜数十万円の請求をしてくる業者には注意しましょう。
まとめ

排水トラップは、普段意識されることの少ない存在ですが、臭いや詰まりといった水回りトラブルに直結する大事な設備です。
正しい知識を持つことで、日々の暮らしの中で困ったときにすぐ対処できます。
もしご家庭での掃除では解決できないようなら、無理せずプロにご相談くださいね。
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