はじめに
「水が流れない…!?」料理中に突然起こるキッチンの排水詰まり。
夕食の後、シンクに水を流そうとしたらどんどん溜まっていく…。
そんな“詰まり”は突然起こることが多く、料理中や片付けの途中だととても困りますよね。
排水トラブルは放っておくと、においやカビの原因になるだけでなく、
最悪の場合、シンクから水があふれてしまうこともあります。
この記事では、水道設備の現場経験をもとに、
キッチン排水の詰まりでよくある原因と、自分でできる対処法3選、注意点や業者対応の目安までをわかりやすくまとめました。
キッチンの排水が詰まる主な原因
キッチンの排水詰まりは、日々のちょっとした汚れやゴミが蓄積して、
排水トラップや配管の内側にこびりついていくことで起こります。
代表的な原因は以下の3つです。
● 油汚れ・揚げ物の残り
料理で使った油や、フライパンに残った脂をそのまま流していませんか?
熱いうちは液体でも、配管の中で冷えるとベタベタの油汚れが固まり、詰まりの原因になります。
油の蓄積がひどくなると、水すら流れにくくなることもあります。
● 食べカスや野菜くず
流しきれなかったごはん粒・野菜くず・卵のカラなどの食材の破片は、
排水口の中で引っかかりやすく、少しずつヘドロ化して詰まりの原因になります。
ネットやゴミ受けに引っかかっているうちはいいのですが、
すり抜けて奥まで行ってしまうと、自力での対処が難しくなることも。
● 洗剤カスや石けんの固着
意外と多いのが、食器用洗剤や石けんカスの残り。
泡の流し残しが続くと、配管内で他の汚れと混ざって**“ヌメリ汚れ”**になり、排水の流れを悪くします。
排水口の周りだけでなく、奥の配管内にびっしりヌメリがついていることもあります。
自分でできる対処法3選
① 排水口のゴミ・ヌメリを掃除する
まずは排水口まわりの見える部分をしっかり掃除しましょう。
排水カバーやゴミ受けを外して、食べカスやヌメリを取り除くだけでも効果ありです。
- ゴム手袋をして、古歯ブラシやスポンジでこすり洗い
- 割り箸や綿棒を使って、すき間の汚れもかき出す
- 最後に中性洗剤で全体を洗い流す
※目皿の下やパイプの入り口あたりに、ヌメリがびっしりついていることも多いです。
② 50〜60℃未満のお湯をゆっくり流す
ヌメリ汚れや油分が原因の詰まりには、熱すぎないお湯が効果的。
50〜60℃未満のお湯(やけど注意)をゆっくり排水口に流すだけでも、汚れがゆるんで改善することがあります。
- 熱湯(90℃以上)は配管を傷める原因になるためNG
- やかんや電気ポットのお湯は、少し冷ましてから使うのがコツ
③ 市販のパイプクリーナーを使う
軽度の詰まりやニオイ対策には、**市販のパイプクリーナー(パイプユニッシュなど)**も有効です。
- 使用量・放置時間を守って使う
- 流すときは水で一気に流しきる
- 1〜2ヶ月に一度の使用が予防にも◎
※強い薬剤の使いすぎは、配管や部品を傷める原因にもなるので注意しましょう。
やってはいけない行動
● 熱湯を流す
「お湯で流せば詰まりが取れるかも」と思って、熱湯(90℃以上)をそのまま流すのはNGです。
配管が高温に弱いため、変形や劣化につながり、水漏れの原因になることもあります。
お湯を使う場合は、必ず50〜60℃未満に冷ましてから使いましょう。
● 異なる薬剤を混ぜて使う
パイプクリーナーを使ったあとに、別の洗剤や薬剤を追加して使うのは危険です。
化学反応を起こして有毒ガスが発生するおそれもあり、絶対にやめましょう。
薬剤を使うときは、1種類だけを単独で、説明通りに使用することが大切です。
● 無理に棒などを突っ込む
詰まりを取り除こうとして、菜箸や針金などを排水口に無理やり突っ込むのは危険です。
配管を傷つけたり、詰まりをかえって奥へ押し込んで悪化させることがあります。
また、使った道具を排水口に落としてしまうトラブルも実際によくあるので注意してください。
業者に相談した方がいいケース
次のような症状がある場合は、無理せず専門の水道業者に相談するのがおすすめです。
- 掃除しても詰まりがすぐ再発する
- 排水がまったく流れず、水が逆流してくる
- 強いニオイや異音が続いている
- 異物(スプーン・洗剤キャップなど)を落とした心当たりがある
修理費用の目安
軽度の詰まりや簡単な清掃作業であれば、
8,000円〜15,000円程度が相場です。
ただし、配管の奥まで詰まっている場合や分解・高圧洗浄が必要になり、
内容によっては高額になるケースもあります。
業者選びの注意点
- 「今だけこの価格」などと即決を迫る業者には注意
- 作業前に見積もりを出さずに勝手に作業を始める業者はNG
- 「出張費だけで1〜2万円請求された」というトラブルもあるので、事前に料金を必ず確認しましょう
まとめ|排水トラブルは早めの対処が大事です
キッチンの排水詰まりは、日々の油汚れや食べカス、洗剤カスなどが原因で、
ある日突然、水が流れない・逆流してくるといったトラブルにつながります。
軽度な詰まりであれば、この記事で紹介した掃除やお湯・市販薬剤などの対処法で改善できる可能性は十分あります。
ただし、何度も再発したり、流れが悪化しているような場合は、
無理をせず専門業者に相談することが大切です。
「まだ大丈夫」と思って放っておくと、においや水漏れ、床材の腐食など二次被害につながることもあります。
違和感を感じたら早めに対処しておきましょう。
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